サバイバル日和

弱肉強食の世の中を、生き抜くため?の読書記録が中心のブログです。

逸木裕の横溝正史ミステリ大賞受賞作「虹を待つ彼女」読了。今後に期待できます。

こんにちは!

また、初めての作家さんに挑戦。逸木裕さんの横溝正史ミステリ大賞受賞作「虹を待つ彼女」を読みました。

逸木裕(いつきゆう)さん、まったく知らなかったので、どんな人か調べみたら、何と!はてなブログをされてました。

blog.yuitk.com

たまーに、更新されています。フリーのウェブエンジニアを兼業されているようです。はてなブログ仲間ですが、忖度(笑)なく、感想を書けるかな…。

 

虹を待つ彼女

【内容】人工知能と恋愛ができる人気アプリに携わる有能な研究者の工藤は、優秀さゆえに自らの限界に虚しさを覚えていた。そんな折、死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。試作品のモデルに選ばれたのは、カルト的な人気を持つ美貌のゲームクリエイター、水科晴。彼女は六年前、自作した“ゾンビを撃ち殺す”オンラインゲームとドローンを連携させて渋谷を混乱に陥れ、最後には自らを標的にして自殺を遂げていた。

晴について調べるうち、彼女の人格に共鳴し、次第に惹かれていく工藤。やがて彼女に、“雨”と呼ばれる恋人がいたことを突き止めるが、何者からか「調査を止めなければ殺す」という脅迫を受ける。晴の遺した未発表のゲームの中に彼女へと迫るヒントを見つけ、人工知能は完成に近づいていくが…。

 

いま流行りの、IA(人工知能)、アプリ、オンラインゲーム、ドローンと、おっさんには、縁がない世界の話ですが、難しくなく違和感なく読めました。晴はなぜ、こんな手の込んだ自殺を遂げたのか?雨とは誰なのでか?脅迫者は誰なのか?と、読みやすい文書で、早く続きが読みたくなる本でした。

 

ただ難癖をつけると、主人公の工藤は、子供の頃から、先を想定できるくらいの天才で、周りの人もコントロールできる知能の持っていたのですが、謎解きの場面では、その天才性はまったく生かされてなく、普通の人になってしまっていることなど、登場人物の設定に違和感あるところがありました。

 

逆に、魅力的な脇役として、工藤の大学同級生で、探偵事務所を継いだ、榊原みどりや、工藤のつくった人工知能と囲碁大会決勝で対戦する目黒八段など、おもしろい登場人物もいました。

 

ここのところ、読んだことのない新人作家さん3人を、続けて読んでみたのですが、私の偏見的なオススメ順をつけると、1.額賀澪さん、2.額賀澪さん、3.畠山丑雄さん、となります。まあ、人の好みはそれぞれですが。

難解なのに一気読み、でも読後には何も残らない…。畠山丑雄さんの「地の底の記憶」

こんにちは!

また、初めての人に挑戦です。第52回文藝賞を受賞した、畠山丑雄(はたけやま うしおさん)の小説「地の底の記憶」を読みました。書名からして、何ともオドロオドロしいです。

 

地の底の記憶

【内容】ある日、小学生の同級生・井内と晴男は、迷い込んだ森の中で、青田という謎の男に出会う。その「妻」が身につけたラピス・ラズリの輝きに導かれるように、町の歴史に埋もれた物語は静かにひもとかれる。

ロシア商人ウォロンツォーフと日本人妻の悲恋、青年アレクサンドルと人形の倒錯した愛、あやうい男女の友情をめぐる青田の過去、そして現在。電波塔に見守られる架空の土地を舞台に、100年を超える時間と愛の狂気を描く、壮大な物語。

 

読み始めて、村上春樹さんの非現実の世界の物語、特に「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」似た感じかなと思っていたのですが、まったく別物で、登場人物の妄想と、真実が混沌として複雑、それでいて、続きが読みたくなる不思議な本でした。

 

ただ、畠山丑雄さんは、やはり新人だと思います。物語として読者を読み続けさせる妄想力と筆力は圧倒的ですが、逆に作品のテーマが最後まで良くわからなくなってしまい(狂気の愛?)、読み終わった後に、私の心に、あまり残るものがなく、エンターテイメントとしては、イマイチの本でした。

「難解を売りにすると、シンドイぞ、新人!」と言いたくなりました。

 

参考)ラピス・ラズリって何?いう人(私です)、こんな石です。